ついうっかり!大事な手続きや届出をするのを忘れてしまった時の対処法
- Sachiko Fukushima
- 2022年2月24日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年8月14日
某許可をとって事業をしていたところ、
「●●の管理者が変わっていたけど、届け出していなかった。どうしたらいいか?大丈夫か?」
という相談があります。
結論から言うと
【大丈夫じゃない場合もあります】

ということしか言いようがないのですが、このままにしておいてもだめなので、まずは自力で行政担当窓口に相談されるほうがいいです。できるだけ早いうちに。
ただし、行政へ直接相談するのが敷居が高く感じる方はご相談いただけたらと思います。
だいたい、どういった時に大丈夫じゃないケースが多いかというと、
行政から許可をいただいて初めて行える事業には、だいたいその事業を管理するキーパーソンになる人の設置が求められます。
管理者的な方を変更する場合というのは
・その管理者が亡くなった
・その管理者が退職した
・管理者であるためには役員であることが必要だが、その管理者が役員を辞任した
とかいうことが考えられます。
こういうことがあった時に、素早く管理者を変更して、その変更したことを届け出しないといけないのですが、うっかりしてそのままにしておくことはありがちなのではないかと思います。
他の管理者に変更して届け出だけを怠っていたということでしたら、その旨付け加えて事後報告でほとんどの場合大丈夫ですが、管理者になれる条件の人がその後いなかった場合というのは、どうしても事後報告ではリカバリーできません。
本当ならそういう事態になる前にご相談いただけるのが一番安全です。
ただし、そうなってしまってからあとで気がついたという時は、怖がらずにご相談いただくのが一番です。
放置しすぎて取り返しのつかないことにならないように。
かといって、忙しい経営者の皆様が、こういった制度や法律を自ら勉強して知っておく…というのはなかなか大変なことです。
手続きや届け出を忘れてしまった時のパターン①
たとえ大事な手続きや届け出だとしても、うっかりしていたり、手続きや届け出をしないといけないことを知らなかったために結果的に違反の状態になってしまっていた…ということは実はよくあります。
私がよく聞く事例としては
・自分の土地だから大丈夫だろうと、農地を駐車場にしていた→本来なら農地法での申請手続きが必要です
・建設業許可をとっている業者ですが、会社の役員が変わったのに届け出せずにそのままになっていた→役員が変わったら変更の届け出が必要です
というようなものです。特に田舎なので、農地法がらみの「うっかりやっちゃってました事案」は多いのです。
農地法違反では罰則があり、懲役や罰金刑もありえるのですが、一般の方からいうと、農地法など知らないしそんなことを考えたこともない…というのが当たり前のことだろうと思います。私もこの仕事をするまでは、そんなこと知りませんでした。
うっかりやってしまって、即座に懲役や罰金がきたらたまりませんよね。
知らなくてやってしまったのはしょうがないとして、そのことを正直に役所に相談し、事後に手続きなどをして是正をすることをお勧めします。

手続きや届け出を忘れてしまった時のパターン②
事後に是正して「ああ、大したことなくてよかった」で済まないパターンもあります。
例えば、事業をするにあたって、何かの許可をとって事業をしている場合、
建設業、産業廃棄物収集運搬業、運送業、飲食関係、介護施設、障害者福祉施設・・・
その他にもいろいろありますが、これらの「行政からの許可」がないとできない事業では、管理者的な立場の人を置くことが条件の事業があります。
その「管理者的な人」というのは、中にはその業界での実務経験、特定の資格を持っている人、特定の研修を受けた人、など、要は誰でもいい…というわけではない条件が課せられていることがあります。
なぜかというと、許可を受けないと事業ができないというのは、誰もがその事業を自由に始めてしまうと、安全上、衛生上、保安上などの様々な問題があるので、事業を行うのに適正な条件が揃っている事業所だけに許可を出し、行政のほうで管理監督していくことが必要だからです。
この「管理者的な人」が辞職したり死亡したりして欠けてしまったのに、そのまま事業を続けてしまっていた場合です。
本来ならこの「管理者的な人」が欠けてしまった時点で、別の人と交代させるか、あるいは許可をとっている事業はできくなった…ということになるのですが、知らずに続けてしまっていた場合には注意が必要です。
悪質な場合以外でも、多少のダメージは免れません。
それでも、行政に黙って事業を続けていれば、やがてばれます。そうなった時のダメージのほうが大きいので、気が付いたらやはりすぐに行政に相談することをお勧めします。
パターン①でもパターン②でも、とにかく「やってしまった状態」に気が付いたら、間をおかずに即座に相談が一番です!



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