ステルスマーケッティングが法律違反になります
- Sachiko Fukushima
- 2023年9月10日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年9月23日
2023年10月から景品表示法が一部変わります。
景品表示法とは、消費者がより良い商品やサービスを選ぶことができるように、不当な広告の表示や、過大な景品類を規制する法律です。
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠しているのが「ステルスマーケッティング」です。
「これは広告だ」、とすぐわかるものなら、消費者もそのつもりで広告を見るけど、そうだと分からないものに対しては、消費者は一般の人の感想だと思い、その内容をそのままうのみにしてしまうかもしれません。それでは、消費者が合理的に商品やサービスの選択ができないかもしれませんね。だから規制の対象になります。
景品表示法とは
景品表示法の正式な名前は「不当景品類及び不当表示防止法」です。
景品表示法は、商品またはサービスの品質や規格などについて、実際のものより著しく優良であると示したり、または事実に反して他社の同程度の商品やサービスよりも優良であると示した表示(広告など)で、不当に顧客を誘引したり、消費者の自主的で合理駅な選択を阻害する恐れのあるものを規制する法律です。
嘘の広告に騙されない、まっとうな広告から消費者がより良い商品やサービスを自主的に、そして合理的に選択できるようにという役割の法律ですね。
商品やサービスを提供する事業者を規制する法律なので、事業者は自分たちが販売している商品やサービスの広告や宣伝に気を遣う一方、消費者として不当な広告、過大な広告に商品選択を左右されない…という2つの視点がありますね。

不当な表示とは
不当な表示の種類としては、大きく分けて3つあります。
優良誤認表示
商品やサービスの品質、規格などの内容について、実際のものや事実に反して競争事業者よりも著しく自社の商品が優れていると、消費者に誤認される表示です。
本当に優れているなら問題ありませんが、優れていないのに優れているという表示の場合です。
例えば、他の事業者も取り扱いしているのに「これを取り扱いしているのは自社だけです」、というような表示の仕方です。
有利誤認表示
商品やサービス価格などの取引条件について、実際のものや事実に反して競争事業者のものより著しく有利であると消費者に誤認させる表示です。
実際の価格より高い価格をあたかも通常の価格のように表示し、実際は通常価格で販売しているのに「お得です」というような表示の場合です。
その他、誤認されるおそれのある表示
優良誤認表示、有利誤認表示の他で、消費者に誤認される恐れがある表示です。
例えば、無果汁なのにパッケージに果汁のイラストを使用し、あたかも果汁を使用しているような見かけでなおかつ無果汁である旨の記載がない場合。
または、実際には取引できないお得とみせかける商品を表示し、顧客を誘引するような場合など、他にも例があります。

ステルスマーケッティングとは
ステルスマーケッティングとは、一見広告とは思えないけど、実は広告宣伝であるというもので、例えば、SNSの投稿やレビューサイトの口コミなど、消費者やインフルエンサーなど
事業者ではない第三者の表示に見せかけたものです。
こういったものの中には、一見消費者などが投稿しているように見せかけて、実は事業者が広告として投稿しているものがあります。
消費者はそれが広告だと分かれば、広告のつもりで見ます。
広告の内容が正しいものでなく、商品の内容などを過大評価している内容であれば、もしそれを「本当のことだ」と思ってみてしまうと、自主的に、そして合理的に商品を選ぶことができず、間違った商品を選んでしまうことにつながります。

広告宣伝で気を付けること
上記の「不当な表示」をしないようにということと、以下のことに気を付けましょう。
【事業者の広告宣伝のための表示である、ことを消費者に分かるように表示する】
です。
ただし、下記のようなものについては、あえて「事業者の広告だ」という表示は必要ありません。
第三者が自主的な意思でSNSに投稿する時
第三者が自主的に商品等のレビューを行う時
レビューの謝礼としてクーポンをもらうも、購入者が自主的な意思でレビュー等の投稿を置こうない時
事業者が第三者の口コミを利用する場合で、良い口コミだけを抽出せず、変更を加えることなくそのまま引用する場合
などです。



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