環境にやさしい農業に取り組む、みどり認定とは?
- Sachiko Fukushima
- 2023年9月16日
- 読了時間: 3分
環境にやさしい農業(?)「みどりの食料戦略システム」が法制化され、スタートしています。
その制度の中の一環で、環境にやさしい農業に取り組む農家さんに認定を与える「みどり認定」の制度があります。
今日はこの「みどり認定」について解説します。
みどり認定とは
まず、みどりの食料システム法(正式名称:環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律)は、食料・農林水産業の生産力の向上のために作られた制度です。
法の1条の目的のところにはこのように書かれています。
この法律は、環境と調和のとれた食料システムの確立に関する基本理念等を定めるとともに、農林漁業に由来する環境への負荷の低減を図るために行う事業活動を促進するための措置及びその基盤を確立するための措置を講ずることにより、環境と調和のとれた食料システムの確立を図り、もって農林漁業及び食品産業の持続的な発展並びに国民に対する食料の安定供給の確保に資するとともに、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会の構築に寄与することを目的とする。
ポイントを絞ると
・環境と調和のとれた食料システムを確立すること
・農林漁業、食料産業の持続的な発展
・国民の食料の安定供給の確保
主にはこの3つのポイントがあります。
農林漁業者は、この法律にのっとって、環境負荷の低減に取り組む5年間の事業計画を作成し、都道府県知事の認定を受けることが出来るのです。これが「みどり認定」です。

どんな取り組みをしたらいいの?
事例としては以下の7つのような事例があげられています。
①土づくり+化学肥料・化学農薬の使用低減
②温室効果ガス削減
③水耕栽培+化学肥料・化学農薬の使用低減
④窒素・リンの流出抑制に資する飼料投与等
⑤バイオ炭の農地施用
⑥プラスチックゴミの排出等抑制
⑦化学肥料・化学農薬の使用低減+生物多様性

みどり認定を受けるメリット
設備投資の際の所得税・法人税が優遇されます
青色申告の農業者は、認定を受けた計画に従って化学肥料・化学農薬の使用提言に必要となる設備を導入した場合、通常の減価償却に次の金額を上乗せして償却できます。
国庫補助金の支度で優遇されます
計画認定を受けると、国庫補助事業の採択審査でポイントが加算されます。例えば以下のような補助金の活用を検討をしている人にはメリットになります。
みどりの食料システム戦略推進交付金
強い農業づくり総合支援交付金
畜産経営体生産向上対策
農地利用効率化等支援交付金など
その他、日本政策金融公庫の農業改良資金等の貸し付けも受けられます。
今後設備投資や、補助金活用を検討いる農家さんは、ぜひみどり認定を検討してみてください。
以下は、個人的な感想として・・・
どちらかというと、拡大志向の農家さん向けの認定制度だと思います。小さく細々と、マイペースで続けたい農家さんには、あまり魅力的な制度ではないかもしれません。
このみどりの食料システム戦略の制度自体が、どちらかというと拡大志向の制度になっていると思います。
日本は平たんな土地が少なく、農地の集約効率化はアメリカなんかに比べるとずいぶん非効率だと思います。
個人的には、日本では大型化の農業より、小規模な家族単位での経営ぐらいの農家さんがたくさんいるほうが小回りが利く農業が出来ていいのではないかと思います。アメリカとかオーストラリアとかとは土地の条件が違います。



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