その契約書大丈夫?契約書が無効になる理由
- Sachiko Fukushima
- 2022年4月17日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年8月20日
契約書というのは、例えば何かの取引をしようという時に、一方の当事者が相手に対して申し込みを行い、相手がその申し込みの内容を理解したうえで、納得して承諾をした場合に成立します。
契約が成立するのは、なにも「契約書」という書類を作る必要はなく、口頭で話しただけで成立するものです。
ただし、皆さんも容易に想像できると思いますが、
例えば、電話などで双方のみで口頭での話し合いをしてOKした場合、後から自分がその時に聞いた話と違うことをお願いされたらどうでしょうか?
例えば、商品の代金は10,000円だと最初聞いたとします。10,000円は予算の範囲内だったので、「よし、じゃあこれを買います!」と返事をしたのに、あとで「やっぱり商品の代金は20,000円もらいます」と言われたらどうでしょうか?
ここで「最初に10,000円だと言ったじゃないか」ということを相手に言ったとして、相手が「そんなことは言ってない。あなたが買うと言ったからこの商品を用意した。どうしても買ってもらわないといけない」というかもしれません。
相手が最初にどういう条件を提示したかが、第三者にきちんと証明できなければ、当事者双方での水掛け論となってしまいますよね。
だから取引を開始する前に、その取引での約束事を決めておいて、双方で確認し、書類にしておくのです。

人は自由に契約ができる「契約自由の原則」
契約については「契約自由の原則」という考え方があり、平等な人間同士として誰でも自由な意思で契約ができます。
そしていかなる内容でも自由に契約ができます。
平等な人間同士とはどういう意味でしょうか?
昔は身分制度があったため、人々は平等ではありませんでした。身分的な関係で支度もない契約を強制された時代もあったのです。
今でも心理的な強弱の関係や、役職等の立場的に、したくもない契約を仕方なくしてしまう…ということもあるのかもしれません。
でも、現代は法治国家であり、人々は本来法律的にも自由で対等なのです。だから契約するかしないか、どんな内容で契約するかも自由なのです(例外はあります)。
そして当然ですが、法に反することや、社会秩序に反するような内容の契約は保護されません。

契約書が無効になる理由とは?
さて、どんな内容でも自由に契約できると書きましたが、契約そのものが無効になる場合もあります。
①契約の内容があいまいな時
例えば、私がAさんから、「何かを買い受ける」という契約をしたとします。「何か」って何なのか分かりませんよね。300円くらいの野菜かもしれないし、1000万円をこえる不動産かもしれません。
これでは契約のしようがありませんよね。契約の目的になる物などがあいまいだと、契約が無効になることがあります。
②実現不可能であること
私がAさんから「Aさんが今乗っている●●という車を買い受ける」という契約をしたとします。ある日、Aさんがその車に乗っているときに事故をおこしてしまい、そのAさんが乗っている●●という車は修理不能で廃車になってしまいました。契約の目的が果たせないので、こういう時は契約が無効になります。
もしAさんが、●●以外に□□という車も持っていて、壊れた●●の代わりに□□を売ってくれることになり、それを私が買いとっても良いよという話になれば、先の契約のかわりに新しい契約を結ぶ、ということになります。
③法律に違反する場合や社会的妥当性
ただし、法律と違う内容で契約を結んだからといって、これがすべて無効になるわけではありません。
法律の中には、法律より当事者間の合意を優先してもOKなものもありますが、この辺の判断は難しいところですね。
当然ですが暴利的な契約内容、犯罪に関する契約は無効です。
④契約を結ぶという意思、その能力があるか
契約は法律的な行為で、お互いに権利や義務が発生するものです。その内容を理解して、契約をするぞっ、という意思がはっきりしているならいいですが、小さな子どもや認知症の高齢者などは、契約の内容を説明されてもよく分からない・・・ということもありますよね。
よく分からないものをうっかり契約してしまったら大変です。当事者に契約する意思があり、契約内容を理解する能力があってこそ、初めて有効な契約となります。
以上のようなときに、契約書が無効になる可能性があります。
あなたの契約書は大丈夫ですか?
※一度契約書チェックしてみませんか?



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